八槻綾介さんの「ややの一本」を読みました。
第11回ポプラズッコケ文学新人賞大賞を受賞した作品です。
児童文学を書いている人間にとっては、とても大きな賞です。
主人公は中学1年生、突拍子もないイタズラをしたり、後先考えず、周りの気持ちもお構いなしに行動したり、一歩間違えば孤立してしまいそうなやや。
でも、ややには一緒に馬鹿なことをやって、一緒に叱られてくれる仲間がいて、満たされないようでいて、決して1人ぼっちではない。
「強くて正しい剣道」をするために、がむしゃらに突っ走るやや。
読み始めは、ややのキャラクターが強すぎて、押し付けの強さが気になったけれど
仲間たちとの葛藤を通して、ややにも仲間たちにも足りない部分や弱い部分があって、中学生の彼女たちにはどうしようもないことも沢山あって、だからこそ仲間同士で補い合うんだよね、助け合うんだよね…と言う気づきにつながって。
最後の最後、裏切り者と憎んでいた一香に対して言ったセリフ
「一香、はないちもんめしよう」
には泣きました✨
色んなことがままならない世の中だけど、「強くて正しい剣道」は裏切らない。
剣道をしない子ども達にも、同じように信じられる「何か」があれば、きっと心の支えになってくれるはずです。
そんな「何か」を見つけて欲しいなぁ🍀
そう願ってしまうおばちゃん…
読後感、最高でした🙌