京極夏彦先生の「鵼の碑」を読みました。
京極夏彦先生と言えば新刊が出れば
作品の内容もさることながら
その物質的な厚み、重量が話題になる
稀有な超人気作家さんとして有名です。
私も「姑獲鳥の夏」から読み続けていますが
複雑な構成と許容オーバーな情報量と畳み掛ける憑物落としに
読後は毎度煙に巻かれた状態で
「一体何を読まされたんだ…」
と放心しつつも、
名物キャラクター達にまた会えた喜びを噛みしめる…それの繰り返しです。
今作「鵼の碑」も出版後は
「ほぼ鈍器」とまずその厚みが話題になりました(笑)
うん、厚いです。そして重いです。
文庫とハードカバーと同時発売なのは
やはりハードカバーは重すぎる(重量的に)という民に向けての配慮もあるかと思います。
いや、文庫も厚いですから(笑)
そして情報量も半端じゃないですから。
途中何度挫けそうになった事か…
でも、読めちゃうんですね〜(笑)
それはやはり語りの上手さというか
章ごとにキャラクターが入れ替わり
それぞれの見ているもの感じていることを語りつつ
近づけそうで近づけない真相に
あ〜も〜、こんがらがった~
誰かなんとかして〜
という最後の最後
あの分厚い本の最後の数十ページで見事に収束して憑き物を落としていく
その瞬間に辿り着きたいが一心で読めちゃうんです(笑)
人気のキャラクターは相変わらずで
シリーズを読んでいる人なら
ニヤけてしまうやり取りも有りつつ
今作登場の緑川佳乃女史も魅力的♥
ただ、名探偵榎木津礼二郎は
どんどんアホさ加減が加速しているような気もしますが…💦
個人的には今作は木場の旦那のカッコ良さが際立ちましたね♥
京極夏彦先生、やっぱりすごいです。