パンダすみれのひとりごと

日々のお気に入りをつづります

お腹いっぱい食べさせたい

中島信子さんの「八月のひかり」を読みました。

現代の小学5年生の美貴と2年生の勇希の姉弟
いつもいつもお腹を空かしています。

シングルマザーのお母さんは
スーパーで働いて、二人を養ってくれていますが
体が弱く、疲れ果てていて、
起き上がれなくなってしまう日もあります。

美貴は掃除も洗濯も料理も、
できる家事は全部してお母さんを助けています。

美貴も勇希もとても健気に
母子3人での暮らしを生きていますが、
その健気さがリアルで身につまされ
現実を突きつけられます。

巻末に
「現代の日本では、
十七歳以下の子供の七人に一人、
およそ二七〇万人が貧困状態にあります。」
と書かれていました。

このお話は児童向けで、
美貴や勇希のような子どもたち、
またはクラスに似たような子が思い当たる子どもたちが読むかも知れません。


私は趣味で子供向けの童話やお話を書くのですが
意図的に、楽しくて愉快な物語を書く事が多いです。

子どもたちに笑ってほしい
楽しんでほしいと思うからですが
それだけでは
子どもたちに寄り添ったり
力づけたりは出来ないのだなぁと思いました。


つらい気持ち、どうしようもない現実

それを認めて

あなたは頑張ってるよ

あなたと同じように、
誰にも言えない悩みを抱えている子が
他にもいるよ

あなただけじゃないよ

って言ってくれる物語。

この物語が多くの子に届くと良いなぁと思います。

そして、
子どもたちの貧困の現実から
目を背けてはいけないと、思い知らされました。