パンダすみれのひとりごと

日々のお気に入りをつづります

ミシンと金魚

永井みみさんの「ミシンと金魚」を読みました。

 

一気読み、しました。

 

カケイさんという、

一人暮らしのおばあさんの

デイサービスのヘルパーさんやお嫁さんに介護されながらの

一人称の物語。

 

以前、デイサービスて働いていた私にとっては

体が不自由だったり認知症だったりするお年寄りは

かなり身近な存在でした。

 

けれども、カケイさんの人生は

デイサービスにいるときに見せる顔からは

想像もつかない壮絶さ。

 

それは、何もカケイさんに限った事ではなく

デイサービスに来るすべての方に

それぞれの波乱万丈な人生があるのだと

気づかせてくれます。

 

そして、人生の最後まで

その人の心の中では

希望や発見や優しさがあふれているのだと

思わせてくれました。

 

ついつい、おばあさん、おじいさん、

とひとくくりにして、

勝手なイメージを当てはめてしまうけれど

そんな単純であるわけないんだよなぁ〜

と思い知らされ、

永井みみさんの軽やかな文体に感心し

読後感はほっこり温かいものになりました。